世界中から苗木を取り寄せ、畑に植え、収穫。
オーナーが世界平和を願い、その思いを見事にボトルに詰め、
1つのワインに仕上げた“世界にただひとつ”のワイン。
世界のVIPが手にした、現存最後のヴィンテージ。
コンセプトは、“世界平和を願うワイン”
イタリア北部、フリウーリ・ヴェネツィア・ジュリアにあり、1968年に設立されたコルモンス醸造組合は、この地区でも最大規模を誇り約400ヘクタールの畑を所有する造り手です。彼らは畑の一定間隔に設置した気象観測装置で2時間おきに気温や太陽の照射、降水量などを記録し、徹底した管理を行っています。そして古くからの伝統的な方法を尊重しながら新たなテクノロジーを取り入れ、素晴らしい品質のワインを生み出しています。
地球すべての風味を1杯のグラスの中に
『ヴィノ デラ パーチェ』は、マスカットを感じさせる芳香性に富んだニュアンスがあり、後から広がる樽の香りが心地よい、辛口の白ワインです。濃い黄金色で、フレッシュなグレープフルーツ、パイナップルの香りにカリンや白い花やハーブなどの複雑な香りを強く感じます。厚みのある果実やほのかにやハーブ、花、ナッツ、ハチミツなどの複雑な味わいがあり、芳醇なワインで見事なまでにうまくまとまっており、ひとつのワインとして完成されております。まさに魅惑のワインです。
日本人ラベルが登場した、Vino della Pace 2012
ワインのラベルは、3人の第一線で活躍するアーティストが毎年選ばれます(かつては小野ヨーコも手がけました)。2012年は、このうちのひとりとして日本人彫刻家の吾妻兼治郎氏※1が選ばれました。コルモンスの統括部長は、偶然本で彼の絵を見て直接お電話をし、作成を依頼したとのこと。「世界平和を願うワイン」というコンセプトに共感し作成された左のエチケット(ラベル)は「しずくがワインを意味し、平和に対するワインの有用性を表現したもの」なんだとか。(画像①)
中央は、イタリアで最も影響力のある画家の一人エンリコ・カスラーニ氏※2のエチケットで、ご覧のとおりイタリア国旗を象徴したものです。真ん中に細かいくぼみがあるのは銃痕を表現しており、平和への強い想いが相反する物を組み合わせることで表現されています。ベルギーで絵画や彫刻や建築などを学んだ後はイタリアの前衛画家たちと交流し1958年にMovimento Arte Nucleareに参加して、1959年には既に現在の表現スタイルを確立しています。(画像②)
右は、画家・詩人・劇作家として多方面で活躍するイタリア人アーティスト、エミリオ・イスロ氏のエチケット。世界的な美術大会ビエンナーレで多数の受賞歴をもっています。金色に形作られた世界地図の裏にある文字は、ラテン語で平和について述べられています。(画像③)
※1 1926年山形県生まれ。イタリア在住日本人彫刻家。東京芸術大在学中にイタリア留学、1975年にヴァチカン美術館の東洋人初のコレクションになるなど、ヨーロッパの彫刻展でたびたび受賞するだけでなく、1995年には、紫綬褒章を受章。
※2 1930年イタリア生まれ。「Paintings of Light(光の絵画)」で知られるモダン・アート(約1910年から1970年くらい)のアーティスト。1950-60年代には前衛芸術の発展に貢献。
『ワイン王国』紙面でも紹介された、955品種で作られたワイン
コルモンスは“世界平和を願うワイン”として、2012年ビンテージは955品種(比率:白ブドウ95%、黒ブドウ5%)のブドウをブレンドしたワインを限定生産し、ブラインドテイスティングでは「100%品種を当てられないワイン」とも称されています。そして出来上がったワインは、チャールズ皇太子やローマ法王など、世界各国の大統領や国を代表する著名人に世界平和を願って送られています。